馬鹿が脊椎反射で書く映画感想です
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スラムドッグ$ミリオネア
img1_1233108476.jpgスラムドッグ$ミリオネア


監督 ダニー・ボイル
出演 デーヴ・パテル マドゥール・ミタル フリーダ・ピント


(あらすじ)インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…


 何と言うか、よく分からない作品です。

 何が分からなかったかと言うと、公開より前にタイトルだけ聞いたとき「このミリオネアってのはまさかあのミリオネアじゃねえよな。」などと思っていたら蓋を開けてみたらあのミリオネアであってあらまあびっくり世の中は分からない、みたいな意味の分からないでも、スラムドックとミリオネアの間に書いてある$の読み方が分からずチケットを買うときに困った、というような類のものでもなく、監督は何を意図してこの映画を作ったのか、そして何でアカデミーを獲ったのか、その辺がよく分からないのです。

 この映画においてタイトルの後半にあるミリオネアはおまけであるということにして考えていくと、この映画は一人の少年がスラムから抜け出して愛を掴む、という話として考えていいと思うのですが、私が思うにこの話の作り方はインチキです。


 何故なら、ハッピーエンドで終わるこの話には間違いなく続きがある筈だからです。


 確かにこの話はジャマールがラティカとミリオンを掴んでハッピーで終わります。しかし、まだスラムが存在すると思われるこの国において、公然とミリオネアになったジャマールの元へは新たなスラムが殺到し、更なる混乱と殺戮を生むことが想像に難くありません。この話の続きを考えれば、ラティカは新たなマフィアにさらわれて犯され、ジャマールは殺され金は奪われます。意地悪な結論を想定して書いている訳ではありません。因果応報です。ジャマールは列車内で盗品を売買し、豊かで愚かなアメリカ人から金品をせしめて成長した男の筈です。こういった国において、「金を持つ」ということは命の危険を抱えるということに等しいと思われます。


 でも、この映画の製作者達はこの映画の主人公ジャマールに金を与えます。貧困にあえぐ国における金品というのと、自分達の価値観における金品の差というものを考えずに。



 アフリカ支援というものがあります。


 どうやらあまりうまくいっていないようです。


 それは、支援をする側とされる側の価値観の違いが分かっていないためのようです。


 一例を挙げると、先日とある大物芸人さんがベナン共和国にスクールバスを寄付しました。


 ピカピカの新車です。


 でも、それが本当に支援になるとは私には思えない。その車が子供たちのために使われるとは思えない。解体され、部品はばら売りされ、限られた人間の懐に入るとしか思えない。よしんば本当に子供達のために使われたとしてもそれでも支援になっているとは思えない。ベナンにおいて、本当に支援が必要な子供達は学校に行っているとは思えない。


 どんな億万長者が慈善心を出してインドに金をばら撒き「ああ、いい事をした」などと自己満足に浸ったとしても、インド全土に何十万といると思えるジャマールたちを救えるとは思えない。


 「じゃ、偉そうにいっているお前は何が出来るんだ?」などと聞かれそうですが、はっきりお答えすると私には何も出来ない。


 つまり、この映画を見て私が感じたものは、「自分の無力感」だけでした。

 
 なのでこうも思ったわけです。なぜこの映画はアカデミーを獲ったのだろうかと。この映画は、多少金のある先進国の人間が自己満足のもとに獲った映画ではないのか、と。




 この映画の好きなシーン


 終盤のジャマールとラティカの二人の会話


ジャマール「I love you.」
ラティカ  「So what?」


何だか哀しいやり取りですが、この映画が私にさした止めです。
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テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

コメント
この記事へのコメント
タイトルだけ見たら
バスケットしながらタメが異様に長いクイズに出場する映画かと。
2009/05/18(月) 21:26:42 | URL | KazN #-[ 編集]
>>KazNさん
>タイトルだけ見たらそんな感じですね。
赤い坊主頭の大男が庶民のシュートでお金持ちになりそうな感じです。
2009/05/18(月) 21:52:58 | URL | 馬面 #-[ 編集]
本日も電車で舞の海に会ったリカー子です。
どうやら彼、電車通勤していますな。
いいですね。庶民派で。

ところで、この映画についてちょうど昨日話していました。私は観ていないので、観ようかなと思っていたところ。
ハッピーエンドですか。
映画の続きの馬面さんの想像、納得です。はい。
急に大金を手にした人ってのは、不幸になるケースが多いですね。しかも貧困に喘ぐ国で、大金持ちになったら・・・雨後の竹の子ように、人々が彼の元にたかりに来ることでしょう。

ちなみに私は自己満足であっても支援に関しては賛成です。もちろん支援の仕方によりますけど。
私はケニアの女の子の支援をしています。でも、物を与えるとかではなく、教育の支援です。
物質的支援より教育の機会を与える方が、よっぽど彼らの未来にとって有意義だと思います。
いつになく真面目なコメントをしてしまいました。
2009/05/20(水) 11:18:11 | URL | リカー子 #-[ 編集]
>>リカー子さん
まあハッピーエンドですが、西洋人がこの映画をハッピーエンドで終わらせている限り支援は成功しないし貧困はなくならないと思いました。そう思える映画でした。

しかしリカー子さんは無力ではないわけですね。私は悲しいくらい無力です。具体的な一歩も踏み出せない。我ながら情けないものです。見習わなければ。

とりあえず、舞の海と同じ電車に乗るところから始めてみます。
2009/05/20(水) 19:29:45 | URL | 馬面 #-[ 編集]
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